リューズの緩みについて
今回の時計はセイコー5オートマチックでした。
この故障の症状としては、リューズを回す時に時計回りには針が回せるのに、針を戻そうとして反時計回りにリューズを回すと、針が動かずにリューズが緩んで外れてしまうというものです。原因としては巻真とリューズを留めている接着剤が取れてしまったことによります。
これを直すには、先ず、メタルバンドの場合は三つ折れ金具部分のバネ棒を外して(革バンドはそのままで大丈夫です。)、スナップ式のケースはこじ開けで裏ブタを開けるのですが、スクリューバック式の場合には裏ブタを開けるために時計を裏ブタを上にしてケースホルダーに固定して、ケースオープナーで反時計回りに回して裏ブタを開けます。
次に、ピンセットなどでオシドリ(巻真の近くにあります)を押しながら巻真を抜くのですが(オシドリが見つからない時にはリューズを引くと出てくるものもあります。)、慎重にゆっくりと抜きます。機械の中にほこりが入らないように、すぐに裏ブタをケースに軽く取り付けます。
リューズが付いた状態の巻き芯の四角に加工してある部分を、傷めないように注意してヤットコで軽く挟みます。その状態でリューズを反時計回りに回してリューズを取り外します。そして接着するのですが、決してアロンアルファで接着してはいけません。ネジを接着するための専用の接着剤(嫌気性のロックタイトを使うのですが、強度のものは外れないので中強度のものを用意します。)を巻真のネジの部分の先に少量付けて、再びヤットコで巻真を軽く挟んでリューズをねじ込んで止まるまで回します。その状態で固着するまで約15分待ちます。その後、巻き真をヤットコで挟んで持ってリューズを反時計回りに回して、接着されているのを確認します。この時あまり強く回してはいけません。強く回し過ぎると接着剤で留めてあっても緩んでしまいます。
キズミ(時計修理用のルーペみたいなもの)で巻真をよく見て汚れやほこりが付いている場合には、ティッシュペーパーなどでふき取ります(できればロディコ)。そして裏ブタを外して元のように巻真を慎重に差し込んで、深く入ったのを確認して押し込みます。
裏ブタをケースオープナーを使って時計回りに回してしっかりとねじ込みます。リューズを引きだして反時計回りに回して針が戻せるかどうか確認します。うまく戻せるようになっていれば修理完了です。最後に三つ折れ部分のバネ棒でメタルバンドを繋げて作業は終わりです。お疲れ様でした。当店では1,650円(税込み)でやりましたが、お店によっては部分修理になるので3,000円くらいかかる場合があります。
この修理で必要な工具等
キズミ(無ければルーペ)、こじ開け又はケースホルダーとケースオープナー、ヤットコ、接着剤(嫌気性ロックタイト中強度)ティッシュペーパー(できればロディコ)※ロディコとは粘土のようなものですが、これで油や汚れを取ります。
